ATMでキャッシュカードが飲み込まれたときの話 その2

その1からのつづき

どうすればよいか分からず、しばし経過。

いったい何が起きたのか?
カードと引き換えに出て来たレシート?を見てみると、

CARTA RITIRATA

と書かれていた。後で調べたら、「カードは無効になりました」のような意味だった。
間違ってイタリア語を選んだせいで、イタリア語で返事されていた。

今と違い、スマホなど当然あるはずもなく、ネットカフェも今ほどなかった時代。海外旅行用の携帯など高くて持つ気すらしなかった時代。連絡手段は?

ふと、思いついた。

そうだ、成田のATMでCITIBANKの口座にデポジットした時の控えに連絡先なんて書いてないだろうか?いや、きっとあるはずだ!

キャッシュカードの入っていたケースをまさぐる。あった!裏を見る。連絡先は?あった!
よかった。24時間営業って書いてある。

早速パリ北駅の構内へ向かう。公衆電話、それもクレジットカードでかけられるヤツがあったはずだ。

受話器を外し、クレジットカードを通す。電話をかける。つながった!

―あの、いまパリからかけているんですが、キャッシュカードが飲み込まれて出てこなくなっちゃったんですが。

「では、ワールドキャッシュのカード番号は控えてありますか?」

―ないんです。でも、入金時の控えがあります。

(以下、遠い記憶のため不明瞭につき、詳細は割愛)

「今どちらに?」

―パリ北駅です。

「本日はもう営業終了しておりますが、パリにはカード再発行の手続きができる代理店がありますので、明日そちらで再発行いただけます。」

カード再発行は、確かJTBの窓口で委託されていたような記憶。パリの日本人街の一角にある。

「朝9時から営業しておりますので、そちらへどうぞ。」

住所を聞く。地図を見ながら場所を探す。目印になるものを教えてもらう。

―ありがとうございました。

よかった。これで一安心。

でも、疲れた。甘いものでも買って帰ろう。

すっかり不安も去って、ホテルへ戻り、スーパーで買ってきたデザートを、テレビを見ながら楽しみ、ぐっすりと眠った。

8月下旬のパリ 時刻は19:30 こんなに明るくて、昼間のよう。結構ひんやりで、長袖の人も多い

この時は、まだ、翌日にひと騒動あることなど、知る由もなかった。

その3へつづく

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