確かに、『両肩』って言ったか。今度は何だろうと気になって、早く出発したい気持ちも忘れて見せてもらうと・・・・
母愛
「霊感」と同じようなサイズ、字体で。『母』の字が日本語風でない。漢文で見た『毋』みたいな字だった。
「じゃぁ、こっちは何て意味?」
漢字と縁がない人々にとっては、漢字は文字ではなく模様の一種なんだろうか??
一応、意味と音を持ってるんですけどね、君たちの言語と同じように・・・・
―ん~。この左の文字は”mother”って意味。右の文字は”love”って意味。
「2つあわせて何て意味だ?」
―あのね、日本語にはこういう表現(熟語=idiom)は存在しない。自分の知る限りでは、中国語にもないと思う。〔”母亲的爱”のつもりだったのだろうか??〕
「どういうことだ?」表情が曇る。
―多分ね、これは”Mother’s Love”と理解させたいと思うだけど、だとすると”母の愛”と書いて、日本語だと『の』という文字を間に入れないといけない。
多分屈折語であろうノルウェー語の人に、膠着語の日本語にある助詞の役割は説明しきれない。だからその説明は省略。
「日本語には存在しないってことは、意味を持たないということか?」
―見ればわかってくれると思うけど、文法として正しくない。
複雑な表情が顔に浮かぶ。
ところが、ここで衝撃の事実に気づいてしまった。。
その3につづく